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第7回 ドン小西さん

katsuyaku_donkonishi01.jpgドン小西・プロフィール

本名:小西 正紀
佼成学園卒業年度:昭和44年3月 第11期卒業生 
出身:三重県津市 国立三重大学附属小・中学校卒業
学歴:明星大学理工学部中退 文化服装学院卒業
職業:ファッションデザイナー、小西良幸デザインオフィス代表、名古屋学芸大学客員教授 名古屋ファッション専門学校特別講師、イスラエル親善特使、三重県観光大使
表彰:毎日ファッション大賞、ファッション・エディターズ・D賞他
社会:NYコレクション参加、税関職員・東武鉄道等ユニフォーム製作、日本TV『スッキリ』毎火曜日出演、週刊朝日寄稿    
著書:「逆境が男の『器』を磨く」

人生を『粋る』って、いいね♥

ご紹介

今回より、 広報担当が私、天谷に替わりました。どうぞ、よろしくお願いいたします。同窓会のHPも、今回、リニューアルいたしました。その新しい流れを飾るに相応しい「ドン小西さん」の、男の『粋ざま』をご紹介いたします。 

子どもの頃の小西さんは、

いきなり直球で来たね。ずいぶん月並みな質問だけど、ま、いいや。

家は父親が医者で母親が呉服屋の娘という環境で育ったから、当時では恵まれていたと思う。家にあるお中元やお歳暮の空き箱を使ってロボットを作ったりとか、その頃から創作するのが好きだったかな。ロボットだって半端じゃないよ。手は動くし、目からパーッと光も出たりしてさ。ただ作るんじゃなくて、人を驚かせたいとか感動させたいって気持ちが強かったな。

母親が厳しくてね。何でもやらされたよ。ピアノとかバイオリンに始まって、油絵、英語に算盤。大変だったな。とにかく、試験も100点取らないと許してくれないんだから。それが、あるとき、突然、人が変わったように優しくなった。「人様の役に立つような人間になりなさい」なんて言い出してね。それから、東京の佼成学園に入れられたってわけさ。

勉強はしなかった

katsuyaku_donkonishi02.jpg三重から出てきたから当然、学校の寮に入ったんだんだけど、これが世の中の縮図を見るようだった。こわ〜い先輩が居て、部屋でゆっくり勉強なんてできなかったな。だから殆ど勉強しないで遊んでたね。その頃、試験の成績表を廊下の壁に貼ってたじゃない。最初は3番目、そのうち7番、何十番と下がって、終いには400番もいかなくなった。ここまで落ちるかっていうほど成績は落ちたね。三重の中学では“秀才”とまで言われた僕がだよ。

大事なのは想像力

勉強が嫌いだったわけじゃないぜ。法則とか方程式といった論理的な学科は好きだった。物理とか数学って、ものの道理をひも解いていくじゃない。結果に対して原因を追求するとかさ。暗記するような学科より、新しい価値観にチャレンジするようで好きだったな。だって、「鎌倉幕府は1192年に始まった」て言うけど、試験じゃ1193年て書いたら当然バツだよな。だけど「彼女と知り合ったのいつだったっけ」と聞かれて「10年前だったかな、いや、11年前だったかな」ってなもんじゃない。ましてや 800年前のことなんか、 ちゃんと覚えてないよ、そうだろ。 そんなの、今から考えりゃどっちでもいいじゃない。

あのさ、人間の力には、三つあると思う。一つは記憶力、二つ目は現実を知る力というか、情報を収集する力、分析するのもそうかな。三つ目は想像力。この想像力が大事。僕が今、こうして世の中に重宝がられるのも、この想像力があるからだと思う。想像力は行動力の原点だね。今の人たちは想像しなくなったね。学生たちと話していてもそう感じる。

進学するために勉強する人って多いんじゃないの。つまり、暗記する勉強。それってバランスが悪くない。僕は、勉強しなかったけど、その代り世の中をよく観察したよ。

自分を観察し己を知る

katsuyaku_donkonishi03.jpg観察したり分析したりするのが面白くてさ。それこそ「植木を育てるが如く」ってやつだね。観察は洞察に繋がる。「なるほど、そうなった理由はこうなのか。じゃ。どうしたらもっと良くなるのか」とかさ。街を歩いてて、ビルを見ながら「なんで、このビルはこんな風に立っているの、こうしたらもっと格好がよくなるのに」とか。新車が出ると「格好がいい」と思うより、デザインやスタイルに興味を持って「何でそういうデザインになったのか」「こうしたらどうなるだろう」なんて、考え過ぎてホント疲れたよ。

客観的に自分自身を観察することが大事だよね。ファッションで言えば、「自分がこう見られたい」というのと、他人からどう見えているかのギャップが少ないほど “おしゃれ”っていうんじゃない。

人生で言えば“おしゃれ”って『粋』ということかな。自分という素材を知らないと、その素材を活かすってできないよね。実社会では、素材が解ってそれを活かす方が成功の確率は高くなる。だから、自分自身を観察することが大切だと思うね。だって、自分のこと解って振る舞っている人って『粋』だよね。料理の世界でも同じ。食材を活かしてこそ“美味しい”んじゃないの。

でも、自分のこと解ってなくて定年迎えちゃう人も意外と多いよね。自分が思っているほど、部下から慕われていないなんてね。

個性を引き出し伸ばす

学生時代から観察力を磨いてきたのが、今の自分に活きてると思う。実は、今まで万事うまくいったわけじゃない。失敗も挫折もした。29歳のときに起業して苦労もしたけど成功もした。当時は“天才アーティスト”とか“色の魔術師”なんて呼ばれもしたよ。

人間て怖いね。自分をしっかり分析していたつもりでも、周りの声に有頂天になって「何やっても大丈夫」なんて思ってしまったんだから。気がついたら 会社は倒産寸前。 倒産した方が楽だったかも知れないけど、それじゃあお終いだからね。それからは、大変な借金を背負って、地獄のような生活さ。

katsuyaku_donkonishi04.jpgでも、そこから這い上がれたのは、やはり、自分の素材、つまり『個性』を知っていたこととか観察力のお陰だと思う。 今、京都の老舗から新しい着物のデザインを頼まれているけど、これも素材の良さを解って、それを引き出すことをしないと、新しい創造なんてできないよね。客観的に観察する力と情熱があるから成し得ることなんじゃないかな。

その辺のところは、是非、僕の書いた本読んでよ。“逆境が男の『器』をつくる”っていうんだけど。去年発刊してから結構評判いいんだよね。

会社勤めでも同じじゃないかな。部下や周囲の人の個性を引き出して伸ばしてやることが大切でさ、個性や素材を活かすっていうことは和音ができるってことなんだな。君もギターやってから解るでしょ。和音になると、効果は抜群によくなるよね。でも、一つ一つの音をしっかり押さえてないと不協和音になっってしまう。だから、個性や素材をしっかり見極めなきゃダメってわけ。

僕は、時々、自分でも料理するけど、「どうすると歓ばれるか、どう盛りつけると驚かれるか」なんて考えていると面白いよお。まさに演出だね。創造するっていうかさ、クリエイティブなことは、みんな共通しているんじゃないの。

子は、親の鏡

子どものこと?  36歳の娘がいるけど、僕は、親でありながらも彼女を最高に尊敬してるね。何でって、彼女が小さい頃は、僕らは寝る間もなく働いていて、とてもかまってやれる時間がなかった。そんな親の事情をわかってくれてたのかなあ。我々親への気遣いとか、家族への思いやりとかさ。仕事に向かう姿勢とか、どれをとっても人間として申し分ないね。親バカじゃなく、本当に素晴らしい人間だと思うね。

その娘に7歳の孫がいてさ。これがまた、可愛い孫でね。可愛いって顔や仕草だけじゃないよ。素直で性格がいいんだな。性格は親に似るからね、娘が非常に上手に育てていると思う。

その点で、娘を見ていて、僕が真剣に生きていることを娘は感じてくれていたんだなと思う。親は子どもに『感じさせる』ことが大事なんじゃないかな。孫も、娘の背中を見て育っていくわけで、そういう繋がりが大切じゃないかな。娘を見ててさ、しみじみ、自分の人生、間違っていなかったって思えるね。

元気の源は、自ら状況をつくる

katsuyaku_donkonishi05.jpg年のわりに元気だって? 僕だって肉体的には順調に歳取ってるよ。身体の衰えはどうしようもないけど、精神的には刺激を与えることでエネルギーは維持できる。

数年前は糖尿病だったけど、「数キロ体重を減らさないとCMに出られない」となると頑張っちゃっうもんだよね、いつの間にか糖尿病も治っちゃった。

よく「スポーツやろう」とか「家にジーッとしていないで外に出よう」なんて言うけど、目的もないのに出れるもんじゃないよね。だいたいが続かないでしょ。外に出ざるを得ない環境をつくることが大切。若い女性とデートするとか、そういう状況を作り出せば、頑張るしかないじゃない(笑)。

日本の奇跡的復興

katsuyaku_donkonishi06.jpg これからは、大きなプロモーション(販売促進)で一極集中的に推進する時代は終わったと思う。小回りが利くっていうのかな、個性的な時代の訪れを感じるね。

今までは何でも数字が優先されたよね。マーケティングというのかな。「今まではこうでした、実態はこうです」みたいに言うと『そうか、だったらそれでいこう」なんてね。グローバル的傾向もあったね。「世の中こうです、これが世界的傾向です」とかさ。それが成功の秘訣のように言われたけど、流行とか動向っていうのは、振り子の原理で、あるところまで振れると、今度は反対の方に振れが変わるんだよな。そうだろ。

今度の東日本大震災でも『奇跡的復興』は絶対にできると思ってるよ。それはさ、日本は技術大国ってことだよ。今までは、日本は加工国だったから、とりあえずアメリカの真似をするのが正義みないなところがあったけど、これからは、日本にしかできない絶対的な魅力をつくることが大事。日本が持っている個性を活かせば奇跡は絶対に起こるって。なつ。

これからは教育が大切

近頃、若い男の子が『草食人間』とか『欲がない』とか言われているけど、僕はいいと思ってる。 昔は他人を蹴落としてでも上に上がれば良かったんだろうけど、 今は違ってきたよね。 トレンドもエコとか自然回帰の時代だよ。 コミュニケーションとか優しさというものは、これからはもっと大事にされるんじゃない。でも、そんな時代だからこそ、しっかりと教育しなきゃいけないことがある。

ファッションでも『エコ素材』『自然素材を求める』という方向と、『ときめきを感じさせる』方向と二通りあるけど、どっちも大切。でも、『ときめきを感じさせる』には、ちゃんと教育しないとね。

僕は、これからもっともっと教育に力を入れていく。と言ったって、儲けや数字に強い人を育てる教育じゃなくて『物づくりができる』『よく考える』『人に感銘を与えることができる』。そんな人に育てる教育をしたいな。最後に、『我が人生に悔いはなし』だね。

編集後述

katsuyaku_donkonishi07.jpg『人の役に立つ人間になる』ために、三重から東京に出て来た少年は、『人に感銘を与えることのできる人を育てたい』と更に志し高く、活躍の道は止まることがないようです。

都内某ホテルのロビーでの取材中に、ロンドンから来たという黒人のビジネスマンが、突然私達の席にやって来て、興奮した様子で小西さんに握手を求めてきました。小西さんがビジネスマンの縦縞のスーツの着こなしを流麗な英語で褒めている姿に、辛口批評で売っている彼も、本当は 心根の優しい世界の“ドン小西”なんだと、改めてを感じました。

小西さん、『粋る』力をいただき、有難うございました。合掌!ドン小西著、講談社発行「逆境が男の『器』を磨く」838円(税別)を読んでみてください。男の“粋ざま”を感じますよ。

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